安倍政権の経済対策方針(アベノミクス)には下記の「3本の矢」が柱となっている
(1)大胆な金融政策
(2)機動的な財政政策
(3)民間投資を喚起する成長戦略
目指している経済再生・デフレ脱却に成功するためには3番目の「成長戦略」が最も重要であるが、実施するのが一番難しい
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(1)と(2)は政府主導で実施可能であり、既に効果が表れ始めている
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一方、(3)は事業環境を整備する政府と、成長そのものの原動力となる企業の連携が必要になる
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(3)が実現するためには、企業が設備投資や人件費を増やすことができる収益構造を作り上げる必要があるため、ある程度の時間を要する
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国内の経済活動を活発になるのがポイントであり、今までの商慣行や常識にとらわれずに新規事業を展開できる環境整備がより重要になる
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金利が上昇し始める前に3本目の矢が実現しない場合は、ソブリン格付けへの下方圧力が高まる
- 成長と共に増えると期待されている税収が、先行して増加する政府債務に追いつかないことになるため、国の財政はより深刻な状況に陥ってしまう
- 特定の輸出関連企業は円安効果で潤うことが想定できる一方、内需に依存する企業はさらに厳しい状況に晒されることになり、格付けへの下方圧力が高まる可能性がある
アベノミクスが想定通りの成果を導くことができれば、ソブリン格付けの安定化が期待できるが、現時点では見守るしかない