正しい格付けとは

どのようにして、デフォルトしてない発行体の格付けが正しいのか判断するべきか?

格付け手法に沿って評価される格付けは、必ずしも正しいとは限らない?

  • 既存の格付け手法は、各格付け会社が長年かけて蓄積した情報や経験を基に作成したもの
  • 新規に付与される格付けや変更の大半は、既存の格付け手法を活用して説明できる
  • しかし、その手法が作成された時から状況が大きく変化している場合や考慮してなかった事項や視点が出てきた場合は説明しきれない事態も起こり得る
  • すなわち、格付け委員会が、過去の事例や実績および格付け手法などの固定概念にとらわれすぎると、「正しい」格付け評価に至らないリスクが発生する

格付け会社は、付与した格付けが「正しい」という事をアピールする必要がある

  • 付与された格付けが何故もう1ノッチ高くないのか、若しくは低くないのかの説明があると評価を理解し易くなる
  • その際に、同業種だけでなく異業種の発行体と比較して説明できると説得力が高まる

例: S&Pによって、米系トップクラスの銀行、JPMorganChaseのスタンドアローンクレジットプロフィール(SACP:外部サポート要因を反映する前の格付け)と、ノンバンクトップクラスのGeneral Electric Capital Corporationに対する評価が同じになっているが、規制環境や金融機関の生命線と言える流動性に係るリスクに大きな差がある

  • レポートを見ると、双方とも該当する格付け手法に沿って評価されているが解るが、相対的な位置付けが正しいのかは解りにくい