平時に格付け対策を実施することで、財務的柔軟性を把握・ストレス時における格下げ圧力を緩和することが可能になる
- 発行体の主張する論点が、格付け委員会で適切に取り扱われるよう、最善の努力を尽す
- 発行体に関わるリスクに対して適切な相対評価を下しているのかを確認し、必要に応じてアピールする
- 格付け会社へ提供する情報は格付け評価において、どのように解釈されているのか・評価を受けているのかを理解する
- 格付け評価が、何故もう1ノッチ高くない/低くない理由を理解し、
- 格下げまで、どの程度の余裕があるのか(辛うじて今の格付けが維持されているのか、十分な財務的柔軟性を保持しているのか)を把握
- 事業の特性として格上げは可能なのか、そのためにはどの様な努力が必要なのかを把握することも可能
- 実際に格下げの方向でウォッチ、モニター、見直し等に指定された末に格付けを維持出来た事例が数少ないことは、日頃の格付け対策の重要性を裏付ける
効果的な格付け対策を実施するためには、格付アナリストの思考を理解する必要がある
- 格付アナリストには、最も説明しやすい格付け評価を下すインセンティブが強い
- より低い・高い格付けを付与するインセンティブは見受けられない
- 言うまでもないが、最も説明しやすい格付けが、必ずしも正しい格付けとは限らない
- 格付アナリストが依頼する情報は、格付け評価を説明するために必要な情報であり、より高い・低い格付け評価を導くためのものではない
- 発行体が信用力をアピールするために提供する論点も、アナリストの思考に合わない場合は、格付け委員会でまっとうな議論がなされないことがある
- 格付け会社は規制によってコンサルティング行為は禁じられており、より高い格付けを付与するために役立つ情報や対応策などに関するコメントはできない
効果的な格付け対策を実施することで得る情報は、経営陣の意思決定プロセスをサポートする
- 一定の信用力を維持しつつ、企業価値・株主価値の向上を図る事業計画の構築
- 中長期的な発展に向けて、実行可能な安定的、且つ、適切な資金・資本政策の構築
- 大型の戦略投資や株主還元を検討される際に、既存の格付けやそれ以降の財務的柔軟性に与える影響をより正確に推測
- まとまった資金が必要になった際の調達可能額や資金調達コストを事前に把握するための貴重な情報を取得
- 実態が示すべき信用格付けより保守的なものが付与され、資金調達コストが上昇・調達可能額が縮小する状況を回避