格付けの評価方法

格付けが高い発行体・低い発行体の特性

格付け委員会によって下記の特性が揃っていると判断される発行体に比較的高い格付けが付与される

  • あらゆる状況下において発行体が運営する事業から潤沢なキャッシュフローを稼ぎ出す事が可能であり、債務を返済する能力が高いと判断される先
  • 国内外経済において重要性の高い業界で、特許、特殊な技術・サービス、ブランド、圧倒的な市場支配力などの特性を保持していることによって、比較的高いマージンや収益性を維持できる先
  • 長期間において上記の状態を維持する事が可能であり、ストレス時においても償還を迎える債務に対する資金手当が可能と思われる先

一方、比較的低い格付けが付与される発行体には下記の性質がある

  • 運営する事業の収益性やキャッシュフローの不確実性が高まっている先
  • 中長期的に期待できる収益やキャッシュフローと比較して債務負担が相対的に高まっている先
  • 償還を迎える債務の返済に必要な資金が手元になく、外部から調達できるかに関する不確実性が高い先

デフォルトは債務の履行に必要な資金が枯渇する、若しくは調達できなくなった時に起きるため、金融機関のスタンスも重要な格付け判断要因になる

  • 債務履行のために必要な資金は内部キャッシュフローや外部調達で賄う事が一般的
  • 仮に資金繰りが悪化した場合でも、それが一時的な現象であれば、金融機関を含む資本市場関係者や主要株主などから増資や借り入れなどの手段で資金調達が可能になる
  • 一方、発行体の劣化したキャッシュフローの回復は難しいと判断される場合は、新たな資金調達が困難になり、債務不履行に陥りやすくなる